拡大床とは?
拡大床とは、成長過程にあるお子さまに適用する治療法です。金属のワイヤーと調節ネジが付属したプラスチックのプレートを装着し、ネジを調整して顎を横方向へ拡大します。顎の成長を促すだけではなく、顎の成長に悪影響を及ぼす歯並びや舌癖の改善も期待できます。
ただし、歯並びの細かな調整はできず、本格的な矯正治療の事前準備としての位置づけです。
拡大床の目的
拡大床の目的は、顎の成長をサポートすることです。現代人は柔らかいものを食べる習慣があるため、上顎が十分に成長せず、永久歯が生えるために必要なスペースが不足しがちです。
その結果、叢生や受け口など歯並びのトラブルが起こります。拡大床で顎のスペースを拡大することで、これらのトラブルを予防できる可能性があります。
上顎のスペースがたりないと…?
上顎のスペースが不足すると、次のようなトラブルのリスクが高まります。
- 鼻腔が狭くなる
- 猫背
- アデノイド顔貌
- 口呼吸
- ポカン口
- 扁桃炎
- いびき
上顎が小さいと、鼻の穴が狭くなって呼吸がしづらくなり、口呼吸に切り替わってしまいます。
口呼吸は下顎が収まる部分がないために呼吸しづらく、背中が丸まって猫背になりがちです。また、鼻のように異物のフィルターがないため、ウイルスやアレルゲンが体内に入りやすく、感染症やアレルギーのリスクが高まります。さらに、呼吸しづらいためにいびきが出ます。
ご相談がおすすめのケース
歯と歯の間にすき間がない(3〜5歳頃)
歯と歯の間にすき間がない場合、きれいな歯並びで将来も安心と感じる方が多いでしょう。
しかし、大人の歯は子どもの歯よりも大きいため、子どもの歯と歯の間にすき間ができていないということは、大人の歯に生え変わったときにスペースが足りなくなることを意味します。
受け口が気になる
受け口のように見えた場合は、舌の位置を確認しましょう。舌は上顎にくっついているものですが、下の歯の上に乗っている場合があります。
この場合、上顎が正しく成長していないことが考えられます。
ポカン口などの悪い癖
全身に影響を及ぼす症状のため、解決できるのであれば早めに解決すべき症状です。